ピカ子の話 – 第8回(最終回)

8月28日
わたしはピカ子。事件は今朝起こった。

大きなピンクの爪研ぎの上段でのんびりとくつろいでいたところを、ひょいと抱き上げられたとおもったらあのキャリーとかいうきゅうくつな箱に入れられた。わたしは、ああこれは大嫌いな医者につれていかれるのかとおそろしくなって、できる限りかわいそうな声で、にゃあぁん、にゃあぁんと鳴いてみた。ハナ先輩が心配そうにキャリーのまわりをうろうろしているのが見える。

「ピカちゃん、だいじょうぶ。心配ないよ。これから新しい家にいくんだよ。少し長旅になるけど一緒にいくからがんばるんだよ。」と声がした。よく考えてみると、ここのヒトがわたしの背中をナデナデしながら話しかけていたのは、これだったのか。「ピカ子、里親さんが決まったよ。ピカ子は幸せになるんだよ」と。人の言葉はどうもわかりにくくて困る。ハナ先輩は人の言葉がわかるらしいがわたしはちょっとしか理解できない。いや、まあまあわかるが知らないふりをしているところもある。「ピカ」と呼ばれたら「ウニャッ」と答えはする。あとはほぼ感覚で理解している。

こうしてキャリーに入れられたわたしは、前にいたシェルターでお世話になったToyoさんという人の車に乗り込んで新しい家に向かった。始終こわくてこわくて心臓がドキドキしていた。人間はつくづく勝手だと思う。わたしたちネコをつかまえて好き勝手をする。抵抗しようともおもったが辛くなるだけなので「もういい。勝手にするがいい」とこころを決めた。「やさしそうな人たちだよ。ピカ子はきっと気にいるよ。家族が多いからたくさんかまってもらえるし、家は一軒家で広くて走り回れるんだよ。」とキャリーの外から声がする。そう言うのならそうなんだろうと信じることにした。しばらくすると新しい家についた。そこはやさしい家族のおいがした。

こうしてわたしは無事インターンを終え、すてきな里親さんのところで新生活をスタートした。ありがたいありがたい。
今までわたしの話を読んでくれた人たち、どうもありがとう。わたしの話はこれでおしまいです。
ピカ子とプランツ

ピカ子

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ピカ子さんはすてきな里親さんが決まりました。今までピカ子の話を読んでくれてありがとうございました。

#猫 #Pika

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